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マエストロ御来店

イタリア料理をしてる人なら誰でもその著書を読んだことがあるであろう、まさに日本のイタリア料理の「生き字引」エル・カンピドイオの吉川シェフがご来店。

吉川シェフとのお付き合いは、かれこれ12年くらいになるだろうか? 熊本でやるか、東京でシェフをやる話にのるか?迷ってた時に、インポーターさんを通じて、お会いすることができた。

...

場所は西麻布。あの伝説の「カピトリーノ」 緊張しながらも食事を終えた僕にマエストロは「食事しただろうけど、一緒に賄い食べない?」と声をかけてくださった。 あの真夜中のカルボナーラとフラスカーティは、どんな三ツ星レストランよりも、どんなブルネッロよりも何物にも変えられない一生の思い出。

田舎から出てきた、どこの輩か分からない若僧に嫌な顔一つせず色んなことを教えてくださいました。

それから何度かお邪魔するたびに深夜まで、イタリア談義に花が咲いたものだった。

数年前、初めてマエストロが九州で講習会をされた時も、アシスタントにご指名頂いた。 2人で仕込みをしてる時、マエストロが作ってた鴨のラグーに入れたタイムの香りの立ち方にハッと気づいて唖然とする僕に、ニコッと笑って「だてに何十年もやってないからね。」と、呆然とする僕を見透かしたかのように言ったマエストロ。 でも、僕はマエストロが「お前、良くそこに気づいたな!」と言ってくれてるようで嬉しかった。

そう言えば21年前、単身19歳でイタリアに渡った時、携えて行ったのもマエストロの本だった。

二十代、ガムシャラだったイタリアでの思い出が走馬灯のように駆け巡った今夜。

「綺麗なものや物凄く美味しいのはフランス料理に任せなさい」 「イタリアの伝統は大事。しかし、それは進化する。でも進化の仕方を間違ってはいけない。」

イタリア料理がどうあるべきか? 短絡的ではなく、その言葉の意味を深く考えさせられた。

マエストロ御年70歳。 その言葉は40歳を迎えた僕の胸に否が応にも突き刺さる。

日本で初めてアーリオ・オーリオをやった人の凄み。

マエストロはイタリア料理の行く末を案じ、数年前、僕に「ある使命」を言い渡された。 こんな田舎の若僧に目をかけて頂いてることに感謝を忘れず、またご期待に添えるよう明日から素材と向かい合いたい。

そうそう、どんな芸能人とか来ても、サインもらいませんが、マエストロに「壁にサインしてください!」と懇願。

そのサインがマストロヤンニ のポスターの下にあるのが泣けてくるではありませんか。

マエストロの異端の弟子が、ミーハーな宮本少年に戻る夜。 今夜はフラスカーティを飲もう(笑)


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